チンギス・ハーンの後継者問題(1)
『元朝秘史』によるとチンギス・ハーンはホラズム遠征に出かける直前、イェスイ妃の言を容れて後継者問題を話し合っている。この時点で後継者候補として目されている正后ボルテの子どもは4人、上からジュチ(ジョチ)、チャガタイ、オゴデイ(ウゲデイ)、トゥルイ(トルイ)であり、チンギス・ハーンはこの4人を呼び寄せてともにこの問題を話し合ったのである。チンギス・ハーンにはこの4人以外にも男子がいるが、後継者候補とされることはなかった。
チンギス・ハーンは子どもたちを呼び寄せると早速長男ジュチに意見を求めた。するとジュチが答えるより早くチャガタイが口を挟み、ジュチの出生の疑惑に関することを持ち出してジュチは後継者にふさわしくないと言い出したためにジュチとチャガタイは激しい口論を巻き起こした。その後なだめられるとチャガタイは後継者としてオゴデイを推挙し、ジュチもそれに賛同した。意見を訊かれるとオゴデイはもちろんトゥルイもこの提案を受け入れたのでこの場ではオゴデイが後継者として定まったのである。